三協立山株式会社(三協立山)が「「Thai Metal Aluminium Co., Ltd.」の子会社化に関するお知らせ」(http://www.nikkei.com/markets/ir/irftp/data/tdnr/tdnetg3/20150109/92omjr/140120150109003783.pdfという適時開示を行い、タイのThai Metal Aluminium Co., Ltd.TMA)を、100億円で子会社化したと公表しました。

本取引の概略
このTMAという企業は、既存の企業ではなく、昨年の10月に今回の子会社化のために設立されたEntityあり、Thai Metal Co., Ltd.という既存の企業から全ての事業を事業譲渡されるとのことです。三協立山は直接TMAの株式を保有するのではなく、TMAの株式を直接&間接的に保有しているAluminium Capital Pte. Ltd.AC)という企業の株式を取得することによって、TMAを子会社にするようです。ですので厳密には孫会社化するということのようです。ACも今回の「子会社化」のため昨年の10月に設立されたばかりのEntityのようです”Pte. Ltd.”という略称から推測される方もいらっしゃるかもしれませんが、ACはシンガポール籍の企業です。今回の三協立山のタイ企業買収もシンガポールを一旦経由する形になっています。

株式取得の相手方
では、AC株式は誰から買うかというとInkberry Management LimitedInkberry)という企業からのようです。このInkberryという企業は、昨年7月に設立されたBritish Virgin IslandsいわゆるBVIという、ケイマンと並ぶタックスヘイブンのEntityです。日本企業がタイの企業を買収するという二カ国間のクロスボーダーではなく、それ以外にもシンガポールやBVIもからむちょっと複雑な案件ではあります。実は、クロスボーダー案件というのは見た目は2カ国間のクロスボーダーに見えますがタックスヘイブンを含めて複数の国や地域をまたぐ形になることが結構あります。

持分比率について
さて、三協立山はACの全株式を取得するようですが、適時開示によればTMAの株式の62.26%を取得するということです。但し、これは、ACTMAの株式の62.26を直接保有しているということではなく、ACTMAの株式の49%のみを取得しており、残りの13.26%Thai Metal Holding Co.,Ltd.TMHというTMAの親会社を通じての間接保有ということのようです。ACは、TMHの一部株式を保有しているだけでありTMHを子会社化しているわけではないため厳密に言うと間接保有ではないようにも思いますが、TMAの議決権行使に関して何らかの契約がACTMHの間でなされているのでしょうか。特に調べているわけではないですが、外資規制のためタイからすれば外国企業であるACTMAの株式の過半数を名義上保有することはできないため、このような資本構成にしてタイ国内での建前と三協立山の日本での適時開示が妙な形になっているのではないかと推測はしますが、もうちょっといろいろ適時開示に書いていただいた方が親切ではないかなという気もしました。

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日本、タイ、シンガポール及びBVIと関係なく今日もパリの街角です。