誰もが知っているアメリカのコーヒーチェーンの運営会社であるスターバックス・コーポレーション(米スタバ)が日本でのスターバックスを運営しているスターバックス・コーヒー・ジャパン(日スタバ)を完全子会社化するというニュースがありました(http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKCN0HI2M820140923)。

現在、米スタバは日スタバの約40%の株式を保有する大株主ですが、今回未保有分約60%を取得し、完全子会社化するとのことです。
よく知られている話ですが、日スタバは、米スタバと、生活雑貨などの企画/販売会社サザビーリーグの合弁会社として誕生しました。
完全子会社化といえば、一般的には公開買付け(TOB)を一回行ってから2段階目として全部取得条項付種類株式を利用して少数株主をスクイーズアウトするいわゆる2段階買収が典型的なスキームですが、今回は、公開買付けを2回に分けて実施するのが特徴的です(2段階TOBと俗に言われています。)。最初の公開買付け(第1回TOB)は、9月26日から開始されていますが、サザビーリーグが保有株式全株を取得することが目的のため、市場価格より安いディスカウントTOBとなっています。他方、第2回目の公開買付は第1回TOBの成功を前提として他の株主の保有する株式の取得を目的として行われます。このような、2段階TOBがあえて利用される理由ですが、完全子会社化を実施する米スタバよりもサザビーリーグ側に株式をどうしても売却したいニーズがあったと思われます。公開買付けを一回だけ行う通常の場合だと、市場価格にプレミアを乗せて公開買付け価格を定めることになりますので、買収者は、株式を売却したい既存の大株主にも市場価格にプレミアが乗った価格のお金を買収者は支払う必要があります。もっとも、買収者側は特に売りたいという大株主にプレミアを渡してまで株式を買取りたいとは思わないような場合が考えられます。このような場合、プレミアを渡さないで済む第1回TOBとプレミアをつけた買取価格で行う第2回TOBを分けて行う2段階TOBを行うメリットがあると思われます(公開買付け代理人や弁護士のFeeが倍程度かかりますがプレミア付の株式買収よりはコストが圧倒的に安いのでしょうね。)。サザビーは、30億円出資して売り出しにより19億回収し、その後剰余金配当を受け取り、今回は550億円の売却代金を得るということになりますね。

なお、この2段階
TOBは、極めて珍しい事例で、過去にユニゾン・キャピタルによる旭テックの買収で用いられた程度だと思います。ちなみに、旭テックのケースでは、2段階TOBの前に、大株主から優先株式を相対で取得しており、さらに複雑な事例でした。
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