ビッグデータ「同意なしで提供も可能に」(http://www.nikkei.com/article/DGXNASDC0900A_Z00C14A6EA2000/)というニュースがありました。報道によれば、『「個人情報保護法」の改正を目指している政府の検討会は、「個人が特定されないようにデータを加工した場合は本人の同意を得なくても第三者に提供できる」などとした大綱の原案をまとめました。』とのことです。具体的には、「パーソナルデータに関する検討会」の第11回会合でまとまった話なのかと(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/pd/dai11/siryou1.pdf)。ビッグデータの売買で懸念されていたのは、個人の同意がないまま個人情報取扱事業者(個人情報データベース等を事業の用に供している者)が個人情報(法的な定義で言うと、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)(個人情報の保護に関する法律第2条第1項))を譲渡してしまっているのではないかという点でした。

今回の報道の通りであれば、この点の懸念を払拭すれば少なくとも個人情報の保護に関する法律上の問題をクリアしてビッグデータを活用することができるようになります。具体的には、「個人の特定性を低減したデータ」への加工と、本人の同意の代わりとしての取扱いに関する規律を定めることによって第三者提供を可能とする、ということになります。事業者は、個人情報に該当するか分からないようなグレーゾーンな情報についても、個人情報に該当するないしこれに準じて取り扱うということになればかなり謙抑的な効果が生じることになるところ、取扱いが明確になることにより、より消費者の理解を得やすいということになりますね。

実際の法律案が出てくるのは、来年の通常国会のタイミングなのでしょうが、行ったり来たりしつつようやく整備されることになりますね。今後事業者としては、厳格な方向へ進んだ
EU個人データ保護規則(General Data Protection Regulation)への手当が問題になりえますが、これはまた改めて。
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