『ローランド創業者がMBO「反対」 財団、不同意も』とのニュースがありました(http://www.nikkei.com/markets/kigyo/ma.aspx?g=DGXNASDZ220CD_22052014TJ2000)。

公開買付開始時のプレスリリースによれば、

『本公開買付けに際して、公開買付者は、当社普通株式に係る第二位の株主(平成 25 年9月 30日時点)であるタイヨウ・ファンド・エルピー(所有普通株式数 1,842,400 株、所有割合 8.30%)、タイヨウ・ファンド・パートナーズ・エルピー(所有普通株式数 100 株、所有割合 0.00%)、タイヨウ・ブルー・ファンド・エルピー(所有普通株式数 340,700 株、所有割合 1.53%)、タイヨウ・ブルー・ファンド・パートナーズ・エルピー(所有普通株式数 100 株、所有割合 0.00%)から、その所有する当社普通株式の全て(合計所有普通株式数 2,183,300 株、当該合計に係る所有割合 9.84%。以下、これらのファンドを総称して「タイヨウ・ファンド」といいます。)について、また、公開買付者の代表取締役であり、かつ当社の代表取締役社長である三木氏から、その所有する当社普通株式の全て(所有普通株式数 13,629 株、所有割合 0.06%)(注)について、本公開買付けに応募する旨の同意を得ているとのことです。』
http://www.roland.co.jp/news/pdf/20140514_1.pdf

と書いてあります。つまり、公開買付け(TOB)に応募することを同意していることが記載されているのは、今回のMBOを主導するファンドであるTaiyo(タイヨウ)の既存ファンドとローランドの代表取締役(のみ)です。

通常のTOBによる会社の買収の場合、大株主との間で事前にTOBがなされたらこれに対して応募する旨の合意をし、応募契約を締結しておくことが多いのですが、このプレスリリースの記載からするとローランドの筆頭株主である公営財団法人ローランド芸術文化振興財団や創業者の梯郁太郎氏(現在ローランドの第3位株主)は、MBOを行うタイヨウ側とこのような応募契約を締結していなかったのかもしれません。確かに、プレスリリースからはこの点で違和感がありますが、報道にあったとおり創業者がMBOに反対しているのですね。ローランドの場合、現在の経営陣は創業家と異なるため、MBOをしたい経営陣とMBOをして欲しくない創業家との間で意見の相違が生じたのでしょう。創業家との話がまとまる前にMBOに踏み切った理由がちょっと気になりますね。

なお、 ローランドのMBO公表時の本ブログの記事はこちらです。
M&A-ローランドのMBO
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ローランド関係は京都竜安寺の石庭です。